もしわたしが7日間入院したら?【消えるお金】をリアルに計算してみました!
高額療養費制度があるから、治療費は一定額以上かからないと聞きます。
でも、実際に家計を預かる主婦として怖いのは、治療費以外の目に見えない出費です。
わたしの今の状況に当てはめて、リアルな数字をだしてみました。
7日間の入院で家計はどのくらい動く?
【7日入院シミュレーションまとめ(わたしの場合)】
今回のシミュレーションは、あくまでわが家のケースです。
家族構成や住んでいる地域によって、外食費や交通費、細かな雑費は大きく変わるでしょう。
夫がどの程度家事をこなせるか、有給休暇がどれくらい残っているか、入院準備にどれだけ買い足しが必要か…こうした条件でも、家計への影響は変わります。
それでも実際に計算してみて、正直ぞっとしました。
医療費の自己負担額を含めていない段階でも、出費は10万円を超えていたからです。
「入院=医療費」と思いがちですが、家計にじわじわ効いてくるのは、それ以外の出費でした。
あなたの家庭の場合、この数字はどう変わるでしょうか。下の表を見ながら当てはめてみてください。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| パート収入減(7日入院+3日自宅療養設定)1 | 57,000円 |
| 外食・惣菜費 | 22,000円 |
| 入院中の食事代 | 10,710円 |
| 差額ベッド代 (4人部屋)2 | 19,460円 |
| 医療費自己負担3 | 下記「高額療養費の表」でご確認ください |
| 用品・雑費・駐車場代、交通費など | 5,000〜10,000円 |
| 合計 | 約11万〜13万円 (医療費自己負担は含まれていません) |
- 今回は有給を使わないものとして計算しています。 ↩︎
- 全国平均値で計算しています。 ↩︎
- 医療費の自己負担額は所得区分や病名・治療内容によって大きく異なるため、金額の明記は省略しています。下記の高額療養費の表でご自身の上限額をご確認ください。 ↩︎
1.まずは止まってしまうパート代
わたしの1日のパート代は、およそ5,700円くらいです。
【仮定】入院そのものは7日間でも、前後の通院、自宅療養を含めて合計10日休む想定。
・5,700円×10日=57,000円のマイナス
あなたの一日のパート代〇〇〇〇円
・〇〇〇〇円×10日=〇〇〇〇〇円マイナス
※合計〇〇〇〇円のマイナス
※今回は有給を使わない設定で計算しています。
有給を利用する場合は、ここの出費がゼロとして考えてください。
1カ月のやりくりを支えるこの金額が消えるのは、正直かなり痛いです!
有給が残っている場合は、この出費は回避できるかもしれません。
しかし、入院前の通院等でつかっている場合は、すべてを有給でとはいかない可能性も……。
2.夫と子どもの外食・惣菜費
ここが一番の誤算になりそうなポイントです。
👇わが家の夫は料理が全くできません。
その場合、1日の必要な食費を考えてみました。
| 夫 | 子ども | |
| 朝食 | ✖ | パン食なら自分で用意可 |
| 昼食 | 外食・コンビニ | ✖ 給食 |
| 夕食 | 外食or惣菜 | |
・子どもの朝食代 1,000円(1週間)
(食パン6枚切×2+ヨーグルト+目玉焼き+チーズの設定で計算)
・夫の昼食代1,000円×7日=7,000
・夫&子どもの夜ご飯2,000円×7日=14,000円
合計:1,000円+7,000円+14,000円=22,000円マイナス
あなたのご主人が料理できる場合は、今の食費に少しのプラスで賄えるかもしれません。
※料理ができない夫なら……
・朝食代○○〇円×7日=〇〇〇〇円
・昼食代○○〇円×7日=〇〇〇〇円
・夕食〇〇〇〇円×7日=〇〇〇〇円
※合計〇〇〇〇円のマイナス
わが家は、3人家族なのでわたしを除くと2人分ですが、子どもが多い場合はもっと食費がかさみます。
3.病院へ払う「治療費以外」の細かな出費
入院に必要な用品は、病院によって、個人によって異なると思いますが、わたしが働いている病院を参考にどんなものが必要になってくるか考えていきます。
入院に必要なモノ
・歯ブラシ、歯磨き粉、タオル、バスタオル、シャンプー、リンス、ボディソープ
・箸、スプーン、コップ(箸やスプーンは病院によっては不要)
・下着
・パジャマ
・履き物(クロックスやスリップは安全上の問題から使用不可の施設多)
・ティッシュ
※シャンプーなどは、病院で用意されている場合もあります。
※病院によっては、CS(ケアサポート)セットを利用できます。
衣類、タオル類の洗濯付き日額制レンタルサービスです。
衣類プランを利用する場合、サービス品としてコップや歯ブラシなどの入院必要品もレンタルすることができます。患者さんは手ぶらで入院でき、洗濯のことなども考えなくてOK。
・セットでの提供になるため、一部未使用でも減額は不可。
・退院日も請求に含まれます。
下着やパジャマは今あるもので代用すると、ここの出費はおさえられます。
入院中の洗濯代
すでに負担をかけている夫に洗濯まで頼むのは、気がひけますよね……。
・病院によっては、各階に洗濯機や乾燥機があり有料で使用することができます。
・病院でできない場合は、業者による洗濯を受け付けているところもあります。
7日の入院だと、洗濯できて1~2回ですよね。
【洗濯 200円/回、乾燥機 100円/30分だと想定した場合】
・洗濯 200×2=400円
・乾燥 100円×2=200円
合計 600円マイナス
入院中の食事
厚生労働省令改正により、令和7年(2025年)4月1日から、一般の入院時の食事療養費は、510円/食になっています。
・1日:510円×3食=1,530円
・1,530円×7日=10,710円
合計 10,710 円マイナス
差額ベッド代
差額ベッド代とは、希望して個室等に入院された場合、基本的に1~4人部屋に入室されたときにかかる費用で、正式には特別療養環境室料といいます。
以下1~4の要件をすべて満たすものとされています。
1.病室の病床数は4床以下であること
2.病室の面積は1人当たり6.4平方メートル以上であること
3.病床ごとのプライバシーの確保を図るための設備を備えていること
4.特別の療養環境として適切な設備を有すること
いまの標準は4人部屋ですが、4人部屋=差額ベッド代なしではありません。
上記の4つの基準を満たす4人部屋は特別療養環境室として差額ベッド代が発生することがあります。
差額ベッド代が発生する条件
1患者が利用を希望する
2.患者が病院の勧めを了承する
この際は、患者が同意書へサインすることが必要とされています。
差額ベッド代は全額自己負担
公的医療保険の対象外のため、全額自己負担です。
※高額療養費適用外です。
差額ベッド代の1日あたりの平均額
厚生労働省による差額ベッド代のデータによると、1日あたりの平均額は以下の通りです。
| 部屋のタイプ | 1日あたりの平均額 |
| 1人部屋 | 8,625円 |
| 2人部屋 | 3,149円 |
| 3人部屋 | 2,778円 |
| 4人部屋 | 2,780円 |
(出典:厚生労働省 「主な選定療養に係る報告状況について」)
※差額ベッド代は、病院ごとに自由に設定できます。
そのため、上記の平均額はあくまで全国平均の目安です。
首都圏や大都市の病院では平均より高いこともあるので、地域差も踏まえて考えておきましょう。
わたしが個室に入院した場合
1人部屋の平均額は8,625円。
わたしの1日のパート代(5,700円)をまるまるあてても、毎日2,925円の持ち出しになります。
7日間個室に入ったとしたら、差額ベッド代だけで60,375円。
せっかく高額療養制度で医療費を抑えても、このベッド代だけでパート10日分の給料が吹き飛んでしまう計算です。
【個室を利用した場合】
8,625円×7日=60,375円
【4人部屋を利用した場合】
2,780円×7日=19,460円
※地域差や病院によって異なります。今回は全国平均値をもとに計算しています。
交通費など
我が家は、わたしも夫も車通勤なので、公共交通機関やタクシーを使うことはありません。
高速代がかかる場合もあるかもしれませんが、遠くても車で1時間以内で通える範囲に病院がたくさんあるので、交通費を気にする必要はないかなと思います。(我が家の場合)
■車がない場合、入院時、退院時の移動手段の費用、家族がお見舞いに1回来たとして……
・公共交通機関を利用する場合 往復○○〇円
・タクシーを利用する場合 往復○○〇円
■仮に車がある場合、入院時、見舞い1回、退院時の駐車場代
(面会時間も10~20分など時間制限が設けられている場合が多いので20分として計算)
・30分 200円の場合:200×3=600円マイナス
合計 ○○〇〇円マイナス
実際の医療費はいくら?
窓口で払う医療費には、高額療養制度という強い味方があります。
この上限額は年齢・所得によって異なります。
【69歳以下の方の上限額】
| 所得区分 | 年収の目安 | 1ヶ月の自己負担上限額 |
| ア | 約1,160万円〜 | 252,600円 +(総医療費-842,000円)× 1% |
| イ | 約770万〜約1,160万円 | 167,400円 +(総医療費-558,000円)× 1% |
| ウ | 約370万〜約770万円 | 80,100円 +(総医療費-267,000円)× 1% |
| エ | ~約370万円 | 57,600円 |
| オ | 住民税非課税者 | 35,400円 |
(出典:厚生労働省 高額療養制度を利用される皆様へをもとに作成)
※高額療養制度は制度改正が議論されており、今後上限額が変更される可能性があります。最新情報は公式発表をご確認ください。
多くのパート主婦世帯(夫が会社員、または自身が社会保険加入)が該当するのは、
「区分エ」の57,600円、あるいは「区分ウ」の約8万円~です。
区分ウの場合、計算式が少し複雑ですが、ざっくり「8万ちょっと+α」と覚えておけばOK。
いずれにせよ、一定額の自己負担は発生します。
【注意】
・年収は世帯合算ではありません
基本的には健康保険の被保険者の年収で区分が決まります。
共働きでそれぞれ社会保険に入っている場合は、それぞれの区分が適用されます。
・扶養内で働く主婦の場合、高額療養費の上限は夫の年収で決まります。
・夫の年収 370万円くらいまで…区分エ
・夫の年収370~770万円くらい…区分ウ
・月をまたぐと損をする?
制度は月単位で計算されるため、月をまたいで入院するとそれぞれの月で上限まで支払う必要があります。
医療費の上限額がわかっても「+1%」という計算式があると、結局いくらなの?と不安になりますよね。一般的な入院ケースで、窓口で支払う額の目安をまとめました。
★区分ウ(69歳以下・年収約370万~770万円世帯)の場合
医療費の総額によって、窓口負担は以下のようになります。
(例)50万円の医療費(総医療費)の場合
80,100円+(500,000-267,000)×1%=82,430円
一般的な入院ケースでは、この所得区分であれば医療費単体では10万円を大きく超えるケースは多くありません。
(総医療費の額次第では10万円を超えるケースもあり得ます。)
ただし、同じ月(1日~末日)の中での入院に限ります。
治療費より「見えない出費」がこわい
高額療養制度のおかげで医療費そのものは一定額以上かかりません。
でも、今回のシミュレーションをまとめてみて、あらためて実感したことがあります。
家計をゆさぶるのは、制度が守ってくれない部分だということ。
パート代のマイナス、夫と子どもの外食・惣菜費、差額ベッド代……。
これらはどれも保険がきかず、高額療養費の計算にも入りません。
医療費の自己負担が5~8万円台に収まったとしても、それ以外の出費を合算すると、家計から出ていくお金の総額は20万近くになることも十分にありえるのです。
もちろん、家族構成や住んでいる地域、夫が料理できるかどうか、有給が残っているか……さまざまな条件で金額は変わります。
では、どう備えればいい?
そこで見直したいのが医療保険です。
医療保険といっても、保障の中身によって受け取れる金額は大きく変わります。
よくある日額給付型で7日間入院した場合、受け取れる金額は
| 日額 | 7日間の給付金 |
| 5,000円 | 35,000円 |
| 10,000円 | 70,000円 |
※上記はあくまで一例です。実際の給付額や保障内容、支払条件は商品や契約内容によって大きく異なります。加入・見直しの際は、必ず各保険会社の公式資料や約款をご確認ください。
日額10,000円でも、今回の出費にはまだ差額が残ることがわかります。
しかも医療の進歩で、入院期間はどんどん短くなっています。
入院日数が短くなるほど、受け取れる給付金も少なくなるという点は、あらかじめ知っておきたいところです。
「入院一時金」という保障も確認してみて
医療保険の中には、入院1回につき日数に関係なくまとまった金額が受け取れる入院一時金がついているものもあります。
短期入院が増えている今の医療事情を考えると、自分の保険にどんな保障がついているかを把握しておくことがとても大切です。
使い道が自由なので、パート代の穴埋めにも、差額ベッド代にも充てられる点も、家計管理をしている立場としては助かるポイントだと感じています。
まず今日できる小さな一歩
✅今の保険に「入院一時金」がついているか確認する
✅保障の内容が今の生活にあっているか見直してみる
難しく考えなくて大丈夫です。
自分の保険、入院したらいくら出るの?ーまずはそこから確認してみてください。
入院したときに「入っていてよかった」と思えるのか、それとも「こんなはずじゃなかった」となるか、その差は、今日の5分の見直しで変わるかもしれません。
※本記事は、一般的な情報提供を目的としています。保障内容や給付条件は商品・契約内容により異なります。保険の検討・見直しの際は、必ず各保険会社や専門家にご確認ください。
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